「午後2時25分から午後3時10分までの時間はどれだけですか?」
小学校3年生の算数で習う「時こくと時間」の問題である。
最近このような問題ができない小学生が多い。原因は、デジタル時計の普及だと推測する。
幼少期からデジタル時計に囲まれて生活していると、時刻はただの無機質な数字の並びでしかない。例えば2時25分から2時26分になるとき、デジタル時計では、5が突然6に変わる。ここでは、5から6に変わるために秒針が1周まわるという約束事は存在しない。時間は一定の速さで移り変わっているのに、その感覚が養われない。
また、デジタル時計にはアナログ時計のような「顔」は存在しない。
例えば「11時5分」はアルファベットの「V」、「3時ちょうど」は「L」のように、アナログ時計は時間を聞くと針の形が容易に想像できる。あと5分で「V」になるとか、「Lの形からもう10分過ぎた」などのように、幼いころに5分や10分の長さを感覚的にとらえることによって、より時間の感覚が身に付くのではなかろうか。
からくり時計のように、ピッタリの時刻になると音がでるアナログ時計が私のイチおしである。
小学校3年生になって算数で躓かないために、幼い子どもがいるご家庭は、大きなアナログ時計をリビングに飾ってみてはいかがだろうか。
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