先日、小学校高学年から中学校のご父兄を対象に「勉強お悩み講座」と題した講演会を行いました。
その中から特に好評をいただいた内容について、何回かに分けてご紹介したいと思います。
「小学校ではよかったテストの点数が、中学に入ると急に下がるのはなぜ?」
~前編~
小学校のテストではほとんどが90点以上だったのに、中学校に行くと半分も取れなくなった」
よく聞く話で、思い当たる方もたくさんいるのではないかと思われる。
今回は、この理由とその対策について考察してみたい。
人によって目や鼻の形、身長や頭のサイズが違うのと同様に、脳の大きさも個人によって異なる。
つまり、習ったことを吸収できる容量も人によって違うというわけである。わかりやすく説明する
ために、この「容量」をトラックの荷台に例えることにしよう。
荷台には軽トラックのような小さなものから、大型トラックやダンプカーのような大容量のもの
まで大きさもさまざまである。
小学校の間は、積み込む荷物の量が少なかったので、軽トラックでもあふれることはなかった。
ところが、中学に入ると小学校の倍以上の荷物が短期間で積み込まれる。当然、容量の小さい
軽トラックは積み荷があふれる。つまり習うべき知識を取りこぼしてしまうというわけである。
一方、大容量のトラックは、少々荷物が増えてもまだまだ許容量があるから取りこぼすことはない。
小学校ではできる子とできない子の差があまり感じられない。
その違いは荷台の例にみられるように、取りこぼさない限り表面に現れることがないからである。
しかし、中学校に入るとその差は目で見てわかるようになる。そして単元が終わるとすぐにテストが
ある小学校とは違い、年5回の定期試験によってまとめてテストされる中学校では、より多くの知識を
ため込んでおく必要がある。
こう考えれば、小学校でできていても、中学校でついていけなくなる子が増えるのは当然のことと言える。
(後編に続く)
コメント