(その3) 買い物やチラシで割合の勉強
5年生の算数で習う単元に「割合」がある。小学校6年間の算数の中で最も難しい単元であると私は断言する。
「500円の8%はいくら?」
「クラス全員の3割にあたる12人が眼鏡をかけている。このクラスの人数は何人?」
教科書や問題集ではこんな問題を目にするが、割合を学校の勉強と考えるから難しいと思うのである。割合が普段の生活にとても密着したものであることを気づかせると、理解も深まるだろう。
スーパーや家電量販店のチラシには「30%OFF」「2割引き」のような表現が普通に出てくる。買い物に行くと、否が応でも消費税を取られる。100円の品物が10%の消費税を入れて110円。200円の商品なら210円ではなく220円。「消費税はいつも10円ではないんだよ。」とこれだけでも10%の意味を説明できそうだ。
算数の苦手な子に共通して言えることは、数字がただの記号にしか見えず、大きさを持ったものであるという認識が弱い点である。だから500円の8%と言われて、500×8=4000などと計算式をたて、それがおかしいことにも気付かない。大事なのは、500円の8%がきちんと計算できなくても、だいたいこれくらいという答えの大きさがイメージできることである。
やはりここでも想像力が問われることになる。
お金に興味を持つ子どもは多い。それを利用すると、買い物やチラシで割合の勉強はいくらでもできる。買い物のたびに、割引や税込みによって金額がどう変わったのかを意識させるだけで、5年生で習う割合の理解度が大きく違ってくることはお分かりいただけただろう。
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