生徒会長選挙

息子が通う高校で生徒会長の選挙が近々あるらしい。

ということが、会長に立候補している生徒の父親の話で分かった。
その父親が言うには、

「息子は生徒会長になって学校をよくしたいといつも言っている」
「朝から校門の前に立って登校してくる生徒たちにあいさつし、自分のやりたいことをアピールしている」

そんな父親の熱い思いを聞いたのは飲み会の席。そもそもその父親とは前からの知り合いでもなく、その日の飲み会(息子の高校では「父親の会」なるものが存在し、年に数回飲み会が開催されている)でたまたま近くの席にいた初対面の人である。そんな父親の熱意を聞いているうちに、是非応援したいという衝動にかられ、

「今度の生徒会長には〇〇君に入れてあげて」

と、その場で息子にLINEをした。

  帰宅すると、どうせ酒の席で話が盛り上がってLINEをしてきたのだろうと事情を察している冷めた息子に対し、今度は私が熱く語り始めた。

「〇〇君の熱意は父親を動かした」
「熱意だけではあかん。それをどれだけ人に伝えて、人がそれを感じ取ってくれるかや」
「発信しないと何も伝わらん」
「これで〇〇君は、周りにいる大人たちの応援も取り付けた」
「自分の思いは秘めているだけでは意味がない。それを言葉にして相手に伝えることで、みんなが自分を応援する状況を作り出すことがある」

酔っぱらいの戯言(たわごと)と思いながらも真剣に聞いている(フリをしていた?)息子だったが、果たして何かを感じ取ってくれたのだろうか…。

それはさておき数日後、〇〇君は無事生徒会長に当選した。 あの時の父親連中の中には、自分の息子のことのように喜んだ人が、他にも数名いるはずである。

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この記事を書いた人

コムコムランゲージ進学教室の教室長

2020年までに指導した生徒はアルバイト時代を含め、1000人以上。
1回授業をすると、授業姿勢や表情、字の書き方などからその子の学力をほぼ正確に見抜くことができる。

家庭では2児の父で、大の旅行好き。
休みになると日本各地を巡り、本州では山形県を除いてすべての都府県を制覇している。

著書「流れがわかる中学歴史の授業」(風詠社)

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