先日、小学校高学年から中学校のご父兄を対象に「勉強お悩み講座」と題した講演会を行いました。
今回は「小学校ではよかったテストの点数が、中学に入ると急に下がるのはなぜ?」その後編です。
「小学校ではよかったテストの点数が、中学に入ると急に下がるのはなぜ?」
~後編~
前編では冒頭の問いに対し、トラックの荷台の例を使ってそのメカニズムを解説した(前編参照)。
後編ではその対策について見ていくことにする。
では、容量の小さい軽トラックをより大きい荷台のトラックに変えることはできるのだろうか。
この問いに私は「ある程度まではできる」と考えている。
それにはまず、現状を把握することである。自分があるいは自分の子どもがどんな容量の荷台を
持っているのか。またそれは大きいのか小さいのか。
もし容量が小さいと分かれば、すぐに手を打つべきである。
塾でもそろばんでもいいし、あるいは学習塾以外の何かでも構わないが、普段から頭を使って
習慣的に学習に取り組む環境を身につけるべきである。そうすればある程度は容量を大きくする
ことができる。そこから先は、生徒本人のがんばり次第だと思う。
もし中学に入り、子どもがどうやら勉強嫌いでついていくのが大変だということが分かった場合、
勉強ができないことをいつまでも引きずらずに、本人の興味のあること、得意なことを伸ばすように
仕向けてあげるべきだろう。
苦手な勉強を無理に続けていると、本人だけでなく保護者も含めた周りの大人もつらい思いをする。
中学は義務教育であるため、勉強は避けて通れない。だから、全てを投げ出して興味のあることに
没頭することはできないかもしれない。しかし、思考の中心を勉強から興味のある方向へとシフト
することはできる。
できないことを克服するのに使うエネルギーを、得意な分野を伸ばすために使おうということである。
勉強が苦手でも、自分の進むべき道をしっかり決めて歩んできた生徒はたくさんいる。
社会で活躍している人の中にも、学生時代勉強が苦手だった人は少なくない。
親が子どもに望んでいることは何か?
「有名なスポーツ選手になって活躍してほしい」
「勉強ができる賢い子になってほしい」
「社会に貢献する人になってほしい」など、人それぞれいろんな思いはあるだろう。
しかし、本当のところ、
「自立した大人に育ってほしい。」
これこそ、親が子どもに願う正直な思いではないだろうか。勉強はそのための手段の一つに過ぎない。
子どもの将来を最優先に考えて本人と真剣に向き合い、寄り添い、見守ってやる。
こういった親のブレない姿勢こそが、自立した大人への成長を促すのだと私は思う。
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